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F.マーキュリーとE.クラプトン、二人の天才の映画

二人の天才の映画

今さら『ボヘミアン・ラプソディ(原題“Bohemian Rhapsody”)』(2018、米・英、監督:ブライアン・シンガー)を観て来ましたって話題もミーハーなんだけど、やっぱり取り上げてみた。それだけじゃつまらないので、つい最近観たミュージシャンの自伝的ドキュメンタリー、『エリック・クラプトン~12小節の人生~(原題“ERIC CLAPTON : LIFE IN 12 BARS”)』(2017、英、監督:リリ・フィニー・ザナック)という映画の話も一緒にしよう。2012年に急逝したホイットニー・ヒューストンのドキュメンタリー映画『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー(原題“Whitney”)』(2018、英、監督:ケビン・マクドナルド)も公開されたばかりで、偶然なのか古い洋楽ファンには懐かしいスーパースターの伝記映画が同時期に上映されているのもちょっと面白い。

『ボヘミアン』、周りにも3回観たという同僚がいるが、社会現象にもなるくらいここ日本でも大ヒット。1月14日時点での国内興行収入が94億円を超え、2018年に国内で公開された作品の中で、興行収入No.1となった。100億越えも射程圏内のようだ[1]。米国を除く世界興収でも英国、韓国を抜いて、日本での“クイーン旋風”止まる所を知らない[2]。この映画の人気がスゴいのが、私のようにリアルタイムに聴いていたジジババ世代だけでなく(ロジャーがあんなにおじいちゃんになっちゃって・・・)、前述の同僚もそうだが、これまでクイーンをあまり聴いたことがなかった世代、しかも彼らの子どもと親子で観るなど幅広い層に受けていること。特に男女比に差はないようだが[3]、全くクイーンを知らないはずのうちの娘も(どうやら大好きなペンタトニックスがアカペラで“ボヘミアン”をカヴァーしていたらしい)、受験が終わったら観に行きたいと言いながら、彼らの曲を鼻歌で歌っている。



そのお父さんが聴いていた頃(70年代最初の黄金期)も、当時は中学生だったが女の子の方がきゃーきゃー騒いでいたと記憶している。男子にとってクイーンは色物系ロックバンドで(イロモノでいえば、男子はどちらかというとキッスの方が人気だったかなあ)、彼らの下半身ファッションが非常にタイトだったから、あそこの盛り上がりがモロなのよ。だから「フレディとブライアンのチ●コでけえ~」といった音楽以外のところで俺たちクソガキの下ネタにされていた。事実、それまでの彼らの音楽的評価は本国英国でもあまり高くなく、グローバルな人気に火を付けたのが日本の女性ファンの貢献大だったから、今回のヒットも含めて日本様様って感じかな。実際、特にフレディ・マーキュリーは日本文化を愛していたというしね(映画でもフレディの自宅に怪しげな漢字のお札が貼られていた気がする)。キワモノロックの扱いでもラジオから流れる≪ボヘミアン・ラプソディ≫はやはり衝撃的だったし(やたら長い、でも静から動へ計算し尽くされた曲の構成、重厚かつ美しいコーラス、妙に耳に残る不思議な歌詞等々)、よく「ガリレオ!」って口ずさんでいた。

映画を観に行った帰り
『ボヘミアン』を観に行った帰り(博多・中洲川端商店街にて)

「IMAX」vs「DOLBY ATMOS(ドルビーアトモス)」映画 “ボヘミアン・ラプソディ” の感動が倍増するのはこちら!

そんな当時が懐かしく、この曲に出会った故郷福岡に年末出張帰省した際、夜遅くに中洲の映画館へ観に行ったのだ。客層はやはり私と同年輩と思われる博多の元ロック少年少女が多かったかな(本編が始まっているのに平然と入って来るクソ野郎・クソババアも多かったけどな。上映開始後の入場は禁止しろ!)。一緒に歌える“応援上映”の劇場ではなかったけれど(一応IMAX)、皆青春を噛みしめるように静かに観てたって感じだったね。

"Killer Queen"




がんばれ!!タブチくん!!
出典:VideoMarket

映画の内容を改めて紹介する必要はないと思うが、前半で≪キラー・クイーン≫の「♪がんばーれ、タ・ブ・チー♭」を聴けたときはニヤリとしたね。この曲が単なる「空耳アワー」ってだけでなく(元の歌詞は“Gunpowder, gelatine”だけど、なんでこんな風に聴こえるんやろ?)、『がんばれ!!タブチくん!!』の漫画と、元阪神タイガースの主砲、福岡ダイエーホークス監督だった田淵幸一の姿が一緒に浮かぶ人はかなりの年配ってことだ。また≪ボヘミアン≫をググると必ず出て来る、グッチ裕三さんの≪犬のおまわりさん≫(NHKの子供番組「ハッチポッチステーション」ね)を初めて聴いた人も多いだろう。恐らくクイーンのパロディ曲としては史上最高の曲だと思う。うちの子どもたちもかつて一緒にテレビで観ていたが、原曲を知るお父さんだけが真にウケていたw。てな具合に、感動よりもくだらないクイーンネタも思い浮かべながら映画を楽しんでいたクソじじいです。



ありきたりの感想を言えば、映画は評判通り完成度は高かったし(何度も観るほどのものではないと思うけど)、特にタイトル曲が完成に至るまでの製作過程はとても興味深かった。こうやってあの分厚い音が作られていたんだと。必ずしも史実に忠実という訳ではないようだが、クイーンの誕生からフレディの死までのバンドの歴史も実は良く知らなかったし、この映画の一つの核ともいえるメアリー・オースティンとフレディの関係は全くの初耳だった。クイーンの映画というよりは、メアリーとフレディのドラマといってもいい。そしてウェンブリーを舞台にしたラストシーン。‘85年のライヴエイドはちょうど大学生の頃だったので当然話題にはなっていたと思うが、あまり覚えていない。でもこのラスト十数分の“劇場”ライヴを観るだけでも価値はあるだろう。

フレディとメアリー・オースティン
フレディとメアリー・オースティン
出典:Queen Site on Twitter

"Love Of My Life" for Mary Austin




それにしてもキャスティングは絶妙だったね。よくあれだけ似た俳優を見つけてきたもんだ。私の中ではクイーンは理系バンドというイメージがあった。美青年、ドラムのロジャー・テイラーは最終的には生物学の理学士だが、最初は大学で歯学を学んだ。ベースのジョン・ディーコンはロンドン大で電子工学を学び、首席で卒業。メンバーの中では地味な存在だが、自作でアンプやエフェクターを作るほどクイーンの音楽の技術面で最も貢献した。そしてギターのブライアン・メイはインペリアル・カレッジ、まあ日本でいえば東工大で天文学を専攻した超インテリ。2007年からは音楽活動で休止していた天体物理学の研究を再開し、母校の博士号も取得している現役の天文学者である。この映画を観た後、昔気になっていた彼の天文学の啓蒙書『BANG! 宇宙の起源と進化の不思議』(ソフトバンククリエイティブ)を思い出して買おうかと思ったが、今や絶版。映画のヒットで再認知されたのか、Amazonでも1万近くに高騰している(再版してくれ)。また、相互リンクしている「ひろポンの“わたしにも作れますぅ”」からの情報で、メイ氏が子供の頃からステレオカメラで撮り続けた立体写真を集めた写真集『QUEEN in 3-D』(シンコーミュージック)って著書の存在も知ったのだけど(こちらも絶版!)、音楽だけでなくサイエンステラーとしての活躍も気になる。そんな理系メンバーの中で唯一、カレッジで芸術とデザインを学んだ根っからのアーティストが、主人公フレディ・マーキュリーだった。テクノロジーとアートの融合バンド。今ビジネスの世界でも、藝術と科学の融合による新しい可能性が叫ばれているが、まさに時代が彼らを呼び戻したのかもしれない。

Dr. Brian May
Dr. Brian May
出典:HUFFPOST



さて、世の中を席巻している『ボヘミアン』ネタに少し食傷気味だった年の瀬に、あのエリック・クラプトン様のドキュメンタリー映画が上映中という記事を読んだ。『ボヘミアン』の影に完全に隠れてしまった感のある『12小節の人生』だが、あの「ギターの神様」の伝記映画である(しかもノンフィクション)。記事にも「今年(2018)は洋楽ロックファンにとって特別な年」と書かれていたので、これは行くしかないっしょと近所の上映館を探した。横浜の「ジャック&ベディ」で年末年始に上映予定となっていた。年末はバタバタしているので、年明けの休暇中に見に行くべと思っていたら、インフルで新年第1週を寝込むという最悪のスタート。何とか回復した上映最終日、仕事帰りにレイトショーで観て参りました。いやー、行って良かったっス。

ERIC CLAPTON : LIFE IN 12 BARS
『エリック・クラプトン~12小節の人生~』劇場情報

ちょうど≪ボヘミアン・ラプソディ≫がヒットしていた中学生の頃、私の周りのロック少年たちはクイーンよりも、ディープ・パープルやレッド・ツェッペリン、イーグルス、そしてクラプトンの在籍していたクリームなんかをよく聴いていたんだ。私はジョン・デンバーとかオリビア・ニュートン・ジョンなどのC&Wや、クイーンが嫌いだというカーペンターズ[4]などを聴いていたお子ちゃまだったので、彼ら友人の持っていたLPを借りて少しずつロックにも音楽の幅を広げていた頃だ(クラシック派の親父はロックを聴き始めた俺に「こんな退廃的な音楽を聴きおって」とよく言ってたっけw)。特にクリームについては、ベイカー派、ブルース派、いやクラプトン派だと中学生のガキどもが偉そうに議論していたが、間に挟まれた私は全く話についていけなかった。ヒットチャートで知った個々の有名曲は聴いていたものの、私がじっくりクラプトンの音楽を聴くようになったのは社会人になってから。ちょっとブルースやR&Bに興味を持った時期があって、自然とデレク&ザ・ドミノスやあのグラミー版『アンプラグト』のアルバムに繋がった。しかし彼の壮絶な人生についてはクイーンと同様、積極的に知ろうとは思わなかった。

キーとなる2つの作品
映画のキーとなる"Layla and Other Assorted Love Songs"と"unplugged"

当然、彼の複雑な出自についてはこの映画で知ることになる。特に実母とのトラウマは、何度も振り返られるほど、後の彼の人生に大きな影を落とす。そんな心に傷を持つクラプトン少年はおとなしく内気な子供だったようだ。ひとりで絵を描くのが好きで、幼少期に描いた漫画やイラストが紹介されていたが、これがかなり上手い。10代の彼を孤独から解放したのが音楽、ラジオから流れてきたルーツミュージックやロックンロールに夢中になったという。美術の才があったエリックは、大学のデザイン科に進むものの、ギターの“研究”に没頭しすぎてあるサウンドに辿りつく。それがブルースだった。「キャデラックレコード」で紹介したマディ・ウォーターらが切り拓いたロックのルーツが、ストーンズやビートルズ同様、彼にとってもその後の人生を決めることになる[6]。

"Hoochie Coochie Man"




若くして“ギターの神”と崇められた彼のキャリアは、ルースターズからヤードバーズ、ジョン・メイオール・ブルースブレイカーズ、そしてクリームへと続く。クリーム絶頂期の’67年、アレサ・フランクリンのアルバム『レディ・ソウル(Lady Soul)』のレコーディングがニューヨークのアトランティック・スタジオで行われているが、この時クラプトンもギターソロで参加している。トラック7の≪グッド・トゥ・ミー(Good to Me As I Am to You)≫って曲だ[7]。映画ではこのセッションのエピソードが紹介されていたが、長髪で全身サイケなピンクの出で立ちでやって来たクラプトンを見て、最初アレサは嘲笑していたという。けったいな恰好をした英国人(白人)にR&Bの何がわかるねんって感じだったと思う。ところがエリックがギターを奏でた瞬間、アレサは笑うのを止めた。彼のソウルを認めた瞬間だった。この映画で初めて聴いたけど、背筋がゾクっとするほど聴き惚れちゃったよ。

"Good to Me As I Am to You"




サイケなクリーム時代
クリーム時代:まあ、こんな恰好からブルースなサウンドが奏でられるとは思わんな(右がクラプトン)
出典:BEET POPS CLUB

後半、デレク&ザ・ドミノス時代からの“しくじり人生”には息が詰まりそうになる。この時代を語る前に、それ以前からのクラプトンとジョージ・ハリスンとの関係を理解しなければならない。エリックの語りによれば(この映画、全編クラプトン本人が当時の心情をナレーションで語る贅沢なスタイル)、ビートルズ全盛の頃、彼はこのバンドを少し馬鹿にしていたようだ。でもジョージに対しては一目置いていて、その後の交流から生涯の友となる。二人が共に孤独な少年期を過ごしたこと[8]、大のクルマ好きだったことも影響したかもしれない[9][10]。有名な“The White Album”の中のジョージの作品≪While My Guitar Gently Weeps≫でクラプトンがリードギターとして参加しているのは(クレジットには書かれていないそうだ[11])、ジョージからの誘いによるものだ。

フェラーリ「SP12 EC」
世界に1台しかないクラプトン特注のフェラーリ「SP12 EC」[10]

"While My Guitar Gently Weeps(1987)":メンバー、スゴすぎます.でもジョージも既にこの世にいない.




ジョージとエリックの親密さは、当時のジョージの妻・パティとエリックの恋人と双方の家に遊びに行き来する家族ぐるみの付き合いだった。そしてエリックと親友の妻との禁断の恋。後年、ジョージに対する尊敬が嫉妬へと変わった感情によるものだったとクラプトンは告白している[12][13]。一度は彼女にふられ、傷心の彼が英国での名声を捨てアメリカに渡って組んだデレク&ザ・ドミノス。このバンドの名曲≪いとしのレイラ(Layla)≫は、どうしても断ち切れないパティへの愛を歌った曲で、アルバム全体が彼女への”ラヴ・レター”だった。男女の関係になった二人だったが、結局エリックの音楽による愛の告白もパティを自分に振り向かせるまでには至らなかった。

Patricia Anne Boyd
世界的ロックスターたちを虜にした小悪魔、パティ・ボイド
出典:孤高のロッジ

エリックとパティ
エリックとパティ
出典:Mail Online

この映画のキーとも言えるデレク&ザ・ドミノスの『いとしのレイラ(Layla and Other Assorted Love Songs)』は、ある意味呪われたアルバムである。’70年に録音されたスタジオには大量のドラッグが持ち込まれていたというし、前述のように禁断のラヴ・ソング集であり、結局想いは実らず失恋。アルバムにはカヴァー曲も挿入し、お互い尊敬し合う仲でもあったジミ・ヘンドリックスが、アルバムリリース前にドラッグが原因で死亡。アメリカツアー中には私生児だったエリックを親代わりで育ててくれた祖父が死去。ツアー先から英国での葬儀にトンボ返りで参列したという。次々と精神的な支えを失ったクラプトンは次第にドラッグやアルコールに溺れ、当然バンドも最悪の状態になる。クラプトン最高傑作と称されるアルバムだが、自身の名前を冠さないバンド名ということもあって商業的には失敗作、2ndアルバム制作中の翌’71年に解散。さらに『いとしのレイラ』の録音参加を機に親交を深めたオールマン・ブラザーズ・バンドのデュアン・オールドマンが、今度はオートバイ事故でこの世を去る。バンドメンバーのその後もすさまじく、ベースのカール・レイドルはドラッグとアルコール中毒により37歳で死去。ドラムスのジム・ゴードンも精神を病み、実の母親を殺害した罪で服役中だが、現在は精神病院に収監されているという[14][15]。そんなバックグラウンドも知らず、一時ヘビロテでノリノリに聴いていたアルバムだけど、ちょっと改めて聴くのが怖くなった。

三菱自動車のCMで久しぶりに聴くことになる"Layla"




その後のクラプトンは引き篭り、隠遁生活。クスリが抜けて‘74年にはソロ活動で復帰するものの今度はアルコール依存症。私がリアルタイムで初めてクラプトンを聴いたのは多分この頃だ。ビルボードでNo.1になった“I Shot The Sheriff”。映画ではコンサートで観客に罵声を浴びせる泥酔クラプトンの情けない姿が紹介されている。’79年にはジョージ・ハリスンと破局したパティ・ボイドと念願の夫婦になるのだが、「恋いた程飽いた」というように熱した物は冷めやすい(男女の関係は永遠の難問です)。クラプトンは結婚後も奔放な女性遍歴、イボンヌ・ケリーとの間に一女、イタリア人モデル、ロリ・デル・サントとの間に一男をもうける。この男の子が最後の小節の主人公になる。結局、名曲を生み出すまでに惚れた「いとしのレイラ」とは‘89年に離婚している。

エリックとコナー
エリックとコナー[17]

クラプトン完全復活のきっかけとなった≪ティアーズ・イン・ヘヴン(Tears In Heaven)≫が亡くなった息子さんへ捧げた曲だということは勿論知っていたが、溺愛していたコナー君わずか4歳半の時だったこと、死亡原因があまりにも悲劇的な事故だったことは、当時ニュースで聞いていたかもしれないが、この映画を観るまで詳細を知らなかった。当然これまでの彼の生き様を知っているファンの誰もが、この悪夢で彼は完全に廃人になるだろうと思ったに違いない。息子の葬儀が終わり、親戚や関係者も帰って一人きりになった時、彼は一通の手紙を見つける。亡くなる前日に父子で行った移動式サーカスの絵を描いてパパに送った手紙だった。

パパ寂しいよ、おうちに来るの楽しみにしてるよ、パパ大スキ・・・

そして気が狂うことを防ぐためにこの曲を書いた[16][17]。もう涙をこらえるのが大変でしたぞい(T▽T)。

"Tears In Heaven"




それまで彼にとっての音楽は、ドラッグやアルコールと一緒で己の人生の苦悩や悲哀、孤独から逃避するための手段だった。でも音楽は絶望から自分を救う手段だということにこの時初めて気づいたのだと思う。あれから30年、酒は飲んでいないというクラプトン。’99年にはクリーム時代の名曲のタイトルを冠したドラッグ・アルコール依存患者のための厚生施設「クロスロード・センター」を設立。その設立資金のためにチャリティーコンサート、愛用のギターをオークションにかけた[18]。映画後半はドラッグとアルコールがどれだけ人間を破壊するか、ロックや音楽を否定したくなるような悲しい映像のオンパレードだが(本作、12歳未満の鑑賞には成人保護者の指導や助言が適当なPG12指定映画です)、最後は明るく音楽のポジティブな可能性を示してくれる。創造的な仕事のためには必要悪と嘯く自称アーティストもおられるかもしれない。クラプトン師匠、この映画で自身が初めて観る映像も多々あったようで、ほとんど覚えていないという。その時は最高だと思っていた泥酔状態の演奏も翌朝聴くと最悪だったし、コカインを吸引する自分の姿は(「ピンクの綿に包まれた感じ」とクラプトンは語っていたが・・・)、他人も巻き添えにしたことも考えると辛いとおっしゃってます[19]。傾聴するように。



ドラッグやアルコールに逃げても、良い仕事は出来ないし何も生まれない。それ以上に自分の身を滅ぼしますので止めましょう。

コカイン摘発、増加傾向 他の薬物と同時使用も

以上、2本の音楽映画を観て、やはり事実は小説より奇なりだね。『12小節の人生』の方が訴求力があったし、全体的に面白かった。『ボヘミアン』のラストシーンも、実際のライブ映像を見ると感動が勝るんだよね。フレディもエリックも間違いなく天才だと思うけど、天才には天才なりの壮絶な人生が横たわっている。私のような凡人は決して経験してこないような波乱万丈な物語の連続だ。二人とも偶然なのか美大出身なんだけど、彼らなりのロジックはあるとは思うんだが、理詰めで攻める理系人間にとって、研ぎ澄まされた感性や情緒で勝負する連中には絶対敵わないと思った(別な意味で、理が通じない韓国には困ったもんだが)。二人の天才の一方はもうこの世に存在しないが、もう一人の男は予想に反して73歳の今も元気に生きている。再婚した若い妻との間に、新たに3人の娘も授かってね(娘がジャスティン・ビーバーのファンで残念がっているw[20])。志半ばで、あるいは人生転落して若くして散って逝ったロックの天才たちは数あれど、彼らの人生の分まで背負って生き続ける神様クラプトンなのかと、この映画を観て思う。

最近は、僕にはできないことができるギタリストたちがいる。
クイーンには、僕が出来たらいいのにと夢見るようなことをできる男が一人いる。
心からそう思うね。
-エリック・クラプトンー[5]






[参考・引用]
[1]『ボヘミアン・ラプソディ』2018年公開作のナンバー1に!、梅山富美子、シネマトゥデイ、2019年1月16日、
https://www.cinematoday.jp/news/N0106177
[2]「ボヘミアン・ラプソディ」興収84億円突破!18年公開洋画で第1位に、映画.com、2018年1月7日、
https://eiga.com/news/20190107/9/
[3]ライブ完全再現が伝説的!『ボヘミアン・ラプソディ』クイーンが愛した日本でも初登場1位、シネマカフェ.net、2018年11月12日、
https://www.cinemacafe.net/article/2018/11/12/59011.html
[4]クイーン、Wikipedia、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%B3_(%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89)
[5]「ボヘミアン・ラプソディ」映画パンフレット、20世紀フォックス映画、2018
[6]エリック・クラプトン少年時代①~複雑な家庭環境、ジェリー・リー・ルイスの衝撃、自己流で弾き始めたギター、佐々木モトアキ、TAP the POP、2018年10月7日、
http://www.tapthepop.net/news/83864
[7]レディ・ソウル、Wikipedia、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%83%AB
[8]ジョージ・ハリスン、Wikipedia、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%B3
[9]ジョージ・ハリスンとクルマ、Macを使う隠れ鍵っ子の日記、2011年11月11日、
https://ameblo.jp/beatles-4/entry-11075524631.html
[10]エリック・クラプトンが特別注文した、世界に1台のフェラーリ「SP12 EC」が正式公開!、Hirokazu Kusakabe、autoblog.com、2012年5月27日、
https://jp.autoblog.com/2012/05/26/ferrari-sp12-ec-officially-unveiled/
[11]ザ・ビートルズ”The White Album”の制作秘話と9つの楽曲エピソード、discovermusic.jp、2018年11月22日、
https://www.udiscovermusic.jp/stories/how-the-beatles-wiped-the-slate-clean-with-the-white-album
[12]クラプトン、ジョージ・ハリソンの奥さんを奪った理由、Ako Suzuki、BARKS、2007年10月5日、
https://www.barks.jp/news/?id=1000034672
[13]「有名な男の妻」でいるよりも人生で価値あること、安原ゆかり、WOMAN Online、2017年4月8日、
https://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/011900049/040500075/
[14]エリック・クラプトン~愛の告白の失敗と悲劇に取り憑かれた数年間、中野充浩、TAP the POP、2018年11月10日、
http://www.tapthepop.net/story/6866
[15]デレク・アンド・ザ・ドミノス、Wikipedia、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%8E%E3%82%B9
[16]コナー・クラプトン、暴走おとが行く、2011年1月20日、
https://ameblo.jp/rock-beet-on/entry-10774291030.html
[17]【泣ける話・泣ける曲】エリック・クラプトン、息子コナー転落死の新事実が、最新伝記『SLOWHAND』で明かされる ドラッグ、アル中、不倫、自殺未遂、海外セレブから学ぶ テストに出ない英語☆おもしろスラングリッシュ☆、2018年10月29日、
http://english22catkat22.blog.jp/archives/1072995472.html
[18]エリック・クラプトン、波乱の人生が7日間で駆け巡る、BARKS、2017年11月13日、
https://www.barks.jp/news/?id=1000035550
[19]エリック・クラプトンのドキュメンタリー映画がとうとう日本公開。「死ぬ前に自分の目で確かめたかった」と本人が語った貴重なインタビューも掲載!、rokin’on.com、中村明美、2018年11月26日、
https://rockinon.com/blog/nakamura/181877
[20]エリック・クラプトン、娘がジャスティン・ビーバーのファンで初めは「がっかりした」と語る、NME JAPAN、2016年5月19日、
https://nme-jp.com/news/20003/
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[ 2019/01/20 17:07 ] music/音楽 | TB(0) | CM(6)

初めまして
クラプトンの映画は絶対見たいと思いましたが、ドラッグなどの場面ばかりで音楽が少ないと知って興味が少し失せておりました。

アレサのウン?イギリスの小僧っ子、なかなかやるじゃん、的な反応が目に浮かぶようです。

フィルコリンズも、エルトンジョンもいますね!
ジョージとクラプトン、灌漑深い…目を合わせる瞬間、なんてシーンでしょう!
ジョージの曲でsomethingとこの曲が好きです
クリームでクラプトンを初めて聞いて衝撃を受けて、
その時からロックでは好きなギタリストがクラプトンに
さらにブルース色濃い今のクラプトンがより好きです。
ビートルズ、クラプトン、動画の全て聴いて(あ、ごめんなさい、クラプトン関係のみですが)同時代生きたこと、しみじみ良かったなあと、ラストは涙で見えなくなりました。

タイムリーな良い記事をありがとうございます。
[ 2019/01/24 17:14 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

carmenc様、
こちらこそ初めまして。
こんな下品なジジイの記事にステキなコメント、ありがとうございます。
"Good to Me As I Am to You"はホント固まりました。感動で。
後半のドラッグ、アルコール、別離の映像にも固まりました。哀しくて。
でも最後の今は亡きB.B.キングとのセッションで全てがリセット。
今や神様も好々爺になってました(笑)ちょっとイメージ違うんですが・・・
インタビュー映像で次々にバンドを移ったのは、新しい音楽を求めたのではなく、
自分との関わりを壊すためとはさすがエキセントリック、クラプトン!
この映画で自分のイメージを壊したかったのですかね。
影響を受けやすいので、最近はクラプトンのCDばかりクルマで流してます。
デレク&ドミノスはちょっと呪われそうなので控えていますがw
もしまだご覧になられていないのであれば、是非映画館に足を運んで下さい。
後悔はしないと思います。
[ 2019/01/24 20:49 ] [ 編集 ]

PTX

☆ PTXをyoutubeにて聴かせて頂きました。
  後日、コンテンツを取り込む事にします。
  なかなか、お子様の感性も大した者だと
  思う次第です。
[ 2019/02/09 02:47 ] [ 編集 ]

Re: PTX

グッチさんは・・・聴かれていませんか?(笑)
娘も息子も受験真っ盛りでございます。
今春、二人とも楽しく音楽を聴けるといいのですが・・・
[ 2019/02/09 08:24 ] [ 編集 ]

グッチさん、、

☆ 勿論、しっかり聴いております。
  ライブラリにございます!(大笑)

  受験の結果は心配ですよね。
  結果として、苦楽を味わうのでしょうが
  しっかり受け止めて前へ頑張る様、
  祈願致します。
[ 2019/02/10 00:46 ] [ 編集 ]

Re: グッチさん、、

> ☆ 勿論、しっかり聴いております。
>   ライブラリにございます!(大笑)
そうでしたかw

>   受験の結果は心配ですよね。
>   結果として、苦楽を味わうのでしょうが
>   しっかり受け止めて前へ頑張る様、
>   祈願致します。
ありがとうございます。
早く終わって欲しい・・・
[ 2019/02/11 22:33 ] [ 編集 ]

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