夏祭りは若松様

日曜日の午後、買い物と児童図書館で本を借りるため「横須賀中央駅」を降りると、いつもの日曜にしては街中やたら人が多い。通りに出ると露店でいっぱいだ。今日は祭りか…。横須賀商業地区の鎮守様、駅前若松町の諏訪神社と米海軍基地を見下ろす緑ヶ丘の諏訪大神社の合同例大祭[1]だった。もうそんな時期かあと、初夏の雰囲気を少し味わった。

諏訪神社例大祭2018

用事を済ませ、露店で夕飯の酒のつまみを買って、ドブ板通りの方へ歩いていくと、基地の正門から諏訪大神社の境内へと続く通りを、「ソイヤ、ソイヤ」と神輿が担がれていた。私の実家、福岡(博多)で例大祭といえば、櫛田様(櫛田神社)の祇園山笠だ。地元では神輿のことを“山”、担ぐことを“舁(か)く”という[2]。この「山を舁く」ために1年働く、リオ・デ・ジャネイロの住民みたいな地元の連中は、7月の行事(ほぼ半月続く)を待ちわびて、今頃はそわそわ、わくわく、気もそぞろという感じだろう。

不浄の者立入るべからず
出典:『博多っ子純情』愛蔵版第1巻より

諏訪神社に奉納される神輿の担がれる様子を見ると、山笠が関東のそれとは決定的に違うところがある。掛け声が「おっしょい」(博多)と「ソイヤ」「わっしょい」(関東)の違いもあるが、一番の違いは、山の舁き手(神輿の担ぎ手)に女性がいないことだ。山笠の禁忌「女人断ち」である。山笠の奉納が済む15日まで、山笠に出る男達は女性との接触を避けなければならない(こりゃ、きつかー)。かつては女性を「不浄の者」として、舁き手の詰め所の入口には「不浄の者立入るべからず」と書かれた立て札が立てられていたんだ。最近、相撲界でも大騒ぎになったが、さすがに「女性=不浄」の表現は蔑視だと、2003年(平成15年)にこの立て看板は全廃されたものの、760余年、禁忌自体は今なお厳守されている[3]。時代錯誤といえばそれまでだが、地元の女性は「これは伝統ルール」と受け入れているのだろうから、世間でどんなに批判されようとも変わることはないだろう。博多んもんは強情やけん。個人的には、神輿を担ぐ女性は、粋でいなせで色っぽいと思うけどな。

諏訪神社例大祭2016
時には、こんな地元名士も神輿を担ぐ(2016年5月22日)
出典:YouTube 

通りに溢れる粋でいなせな横須賀・若松衆を掻き分けながら、山笠では欠かすことのできない、結婚式でもフツーに歌われる「博多祝い唄」がついつい鼻歌で出てしまった。こっちも若松様やけん。30年以上離れても、故郷の記憶は消えないなあー。もうすぐ夏です。



[参考・引用]
[1]諏訪神社例祭、そらいろネット
http://sorairo-net.com/rekishi/yokosuka/honcho/012.html
[2]博多祇園山笠公式サイト、
https://www.hakatayamakasa.com/
[3]山笠の禁忌(タブー)、山笠ナビ、
http://www.hakata-yamakasa.net/knowledge/trivia/taboo/
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