Ferrari・365GTB/4
出典:Octane

先月末、古い納屋で40年間放置されていた希少なフェラーリが発見され、オークションにかけられるというマニア垂涎のニュースが飛び込んで来た[1][2]。“The Little Red Racing Car”のように納屋などに置かれたまま長い期間忘れ去られていたヴィンテージカーが発見されることをバーンファインド(Barn find、Barn=納屋)というらしいが、またアメリカ中西部辺りのニュースかと思いきや、日本の岐阜だというから驚きだ。そのクルマはフェラーリの中でも人気の1969年型365GTB/4、通称フェラーリ”デイトナ”で、それも公道走行用としては世界に1台しかないアルミ製ボディのデイトナというレア中のレアもの。そんなクルマが何故岐阜に、それも40年間も埃を被って眠っていたのか。


[3]によれば、このシャシーナンバー12653、1969年6月にフェラーリ・スカリエッティ工場で生産された32番目のデイトナ、ベルリネッタ・アロイ・ストリートバージョンは、1971年に日本の販売代理店に輸入され、1972年に「カーグラフィック」1月号の記事にも掲載された(表参道の自動車古本屋「ロンバルディ」に探しに行ったがなかったんだ)。1975年5月に岐阜のGoro Guwa氏に購入され、1979年4月に名古屋のTateo Ito氏へオーナーは移り、その約1年後、Makoto Takai氏に渡ってから40年近い今まで所有されていたようだ。

Leonardo Fioravanti
Leonardo Fioravanti
出典:http://www.glass308.com/Photos/Forms/DispForm.aspx?ID=778

365GTB/4は1968年から73年の間、約1,400台が製造された2人乗りのGT(グランリスモ)B(クーペ=ベルリネッタ)4(4カムシャフト=DOHC)。その現代的でダイナミックかつ、美しいデザインは、イタリア最大のカロッツェリア、ピニンファリーナによるもので、デザイナーはレオナルド・フィオラヴァンティ(Leonardo Fioravanti)。ヘッドライトの形状違いで、前期型と後期型に分かれる。前期型は透明なプレクシグラス(アクリル樹脂、商品名)内に4灯式ヘッドライトを配置、後期型は米国の安全基準に合致させるため’70年にリトラクタブル式に変更された(だから発見されたお宝は前期型)。エンジンは4,390ccのV型12気筒で、最大出力352PS(=259kW)、最高速度280km/hを達成[4]。

365GTB/4前期型
365GTB/4前期型
出典:http://hobbycom.jp/workshop/library/ferrari/4.html
365GTB/4後期型
365GTB/4後期型
出典:http://www.carfolio.com/specifications/models/car/?car=42592

365GTB/4は、’67年の米フロリダ・デイトナ24時間耐久レースで1-2-3フィニッシュをしたスポーツプロトタイプの330P4と412Pにあやかって“デイトナ”と呼ばれたが、この愛称を汚すことなく、’72年から’74年までル・マン24時間耐久レースのGTクラスを3年連続で制覇。生産終了から6年後の’79年デイトナ24時間レースで、当時の最新マシンと伍して2位に入賞するなど伝説を作った[4]。フェラーリはこのデイトナ24時間レースの出場に向けて軽量アルミ合金車体のバージョンを6台生産、5台はレース用で、残りの1台がこの公道走行用(ロードゴーイング=モデル)の唯一の個体なのだという[5]。

'67 Daytona 24h
#23(330P4)、#24(330P4)、#26(412P)の1-2-3フィニッシュ@'67デイトナ24h
出典:https://www.flickr.com/photos/metalsun/8937311626

今月9日には、イタリアのフェラーリ工場で同社史上最大規模のオークションが開催され、発見された埃をかぶった状態のまま修復も施されずに出品された。走行距離は36,390km。ボディ、シャシー、そしてパワートレインの製造ナンバーも全て一致していて保存状態も良好。ツールキットなどの工具も一通り揃っていたので、これほど条件の良いお宝オークション品はそうはないだろう。ちゃんとレストアすれば動態保存も可能に違いない。競売元のTMサザビーズは170万ユーロ(約2億2千万円)の落札額を見込んでいたが、結果は想定以上の180万7千ユーロ(約2億3,500万円)の高額で落札。

このニュースを知って、そうだ!うちにも古い365GTB/4があったんだ、と思い出して、実家の納屋ならぬ“息子の部屋”を物色する。あった、あった、それが下の写真。私が小学生の時に買ってもらったメイド・イン・フランス、1/43スケールのsolido製ミニカー。この頃、もう1台スーパーカーのミニカーをクリスマスに買ってもらっている。365GTB/4のライバルといわれたグリーンのミウラ。こっちは早々にボロボロになって残っちゃいないけど、この2台が少年時代の僕のお気に入りだった。昭和のスーパーカー・ブームのきっかけといわれる漫画『サーキットの狼』の連載開始が1975年。私は既に中学生だったから、その数年前くらいからブームの兆しはあったのだと思う。

我が家のデイトナ
我が家の”納屋”から見つかったズタボロのデイトナ.オークションに出せば35億(分の1)円.

365GTB/4のミニカーはもちろんプレクシグラスのヘッドライトの前期型(奥の1/64後期モデルは、缶コーヒーのキャンペーンに付いて来た京商のミニカー)。息子に譲った時はもう少し程度が良かったが、今じゃ埃だらけチップだらけでフロントバンパーの半分は欠け、リアパンパーと4本出しマフラーは欠落。これじゃ岐阜のデイトナの方が程度がいい。70年代のミニカーとはいえ、この状態じゃ、ヤフオクに出してもジャンク品扱いだな。あるところにはあるのだ、本物のお宝が[7]。誰に買われたのかな、デイトナ。

オークションに出品されたデイトナ
サザビーズ・オークションに出品されたデイトナ[6]

[参考・引用]
[1]日本の車庫で眠っていた、世界に1台のアルミ製ボディを持つフェラーリ「365 GTB/4 デイトナ」がオークションに、Autoblog、2017年8月28日、
http://jp.autoblog.com/2017/08/27/aluminum-ferrari-daytona-barn/
[2]日本で約40年放置されていた1台しか存在しない伝説のフェラーリデイトナがそのままの状態で出品、フェラーリ・ランボルギーニNEWS、2017年8月25日、
http://www.ferrarilamborghininews.com/blog-entry-13125.html
[3]Lot126 1969 Ferrari 365 GTB/4 Daytona Berlinetta Alloy by Scaglietti、RMオークション、
http://www.rmsothebys.com/ff17/ferrari--leggenda-e-passione/lots/1969-ferrari-365-gtb-4-daytona-berlinetta-alloy-by-scaglietti/1704895
[4]フェラーリ・365GTB/4、Wikipedia、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BB365GTB/4
[5]RM Sotheby's / 1969 Ferrari 365 GTB/4 Daytona Berlinetta Alloy、Octane、2017年8月30日、
https://octane.jp/topics/car/-rm-sothebys-1969-ferrari-365-gtb4-daytona-berlinetta-alloy.html
[6]岐阜の納屋で見つかった土まみれのフェラーリ・デイトナ、2億3490万円で落札、Esquire、2013年9月13日、
http://www.mensclub.jp/esquire/recommend/ferrari-daytona-at-auction/
[7]最近になって各地で発見された「眠っていたお宝」のクルマたちを、まとめてご紹介!、Autoblog、2017年9月10日、
http://jp.autoblog.com/2017/09/10/top-automotive-barn-finds-in-recent-history/
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